遠山記念館トップ> コレクション> インドネシア染織> ペイズリー・花文様絞り染肩掛(女性用)
インドネシア スマトラ島 パレンバン 19-20世紀
絹
208.4×90.8
柔らかな支那(しな)絹(ぎぬ)に、縫締絞(ぬいしめしぼり)と巻締絞(まきしめしぼり)の2種類の絞染(しぼりぞめ)に加え描(かき)染(ぞめ)の技法で華やかに文様を表した布。中央の主文様部分を小花と幾何文様で埋め尽くし、その両側の細い枠にペイズリー文が、更にそれらをとりまく外枠に鋸(きょ)歯(し)文様や幾何文様が見られます。文様構成もペイズリー文もかつてこの地に盛んに輸入されたインドの染織品の影響を受けたものです。
ジャワ島やバリ島では絞染を「プランギ」といいますが、これはインドネシア語で「虹」を意味します。ただしパレンバンでは同じ「プランギ」を「夕焼け」のを意味で用いています。いずれにしてもこの鮮やかな彩りの布を指すのにふさわしい言葉ですが、この布を製作する技術は、20世紀に入って間もなく文字通り「虹」や「夕焼け」のように消えていきました。