遠山記念館トップ> コレクション> 日本木竹工 > 四季草花彫嵌飾棚
前田南斉(1880-1956)
(象嵌・木内省古1882-1961)
昭和11年頃
高109.0 44.5×136.5
銘 右側板「南斉作」 右扉裏「省古作」
用材 桑
象嵌材 黒柿・黄楊・珊瑚・鼈甲・真珠
白蝶貝・鸚鵡貝・鯨骨・象牙・鹿骨
金・銀・鉛・孔雀石ほか
江戸指物(さしもの)の伝統を受け継ぐ木工作家 前田南斉(まえだなんさい)の代表作といえる作品です。上段を右奥に浅い天袋のみとし、下段に象嵌の扉を入れて、軽快さと豪華さを併せ持った、伝統とモダンな意匠の見事なる融合を見せています。
板と板、柱を組み合わせて造る棚や机などを指物といい、その技をもつ職人を指物師というが、特に伊豆七島 御蔵島産の桑を扱う指物名人のみに許される「桑樹匠(そうじゅしょう)」(くわのきのたくみ)の呼称を名乗っています。
東京の京橋に工房を構え、近代の大数寄者 益田鈍翁や、当館の遠山元一の注文を受けて、大正、昭和前期に活躍しました。
この書棚は、いくつかの作品で合作のコンビを組んだ木内省古(しょうこ)が、象嵌(ぞうがん)を担当しています。