荻原守衛 (1879-1910)
明治43年作
昭和33年鋳造
高96.0
日本の近代彫刻を代表する荻原守衛(もりえ)(碌山(ろくざん)の号で知られる)の最も有名な作品です。わずか32才で夭折の後、遺作として第4回文展に出品され、最高傑作と評されたのがこの「女」です。
画家を志して渡米、渡仏した守衛は、サロンでロダンの「考える人」を見て衝撃をうけ、彫刻家に転向しました。ロダンにも会い、その生命力あふれる表現に感化をうけて、腕を磨きました。帰国後、文展や太平洋画会展に作品を発表し、当時の芸術家に大きな影響を与えました。
素人モデル岡田みどりを相手に、苦闘の末に「女」は完成、守衛と親交のあった新宿中村屋の相馬家の夫人黒光(こっこう)がモデルともいいます。
当館の創設者・遠山元一は碌山美術館の設立に協力した関係から、山本安曇、昭和33年鋳造のこの作品を寄贈されました。