遠山記念館

遠山記念館トップ コレクション 日本人形> 遠山家雛壇飾り

コレクション

  • 遠山家雛壇飾り
    • 日本人形
    • Japan


大正時代 20世紀




当館の創立者である遠山元一が、大正9年生まれの長女貞子の初節句の祝いとして揃えたものです。
大別すると、向かって右側の御殿飾りと向かって左側の段飾りの二種類があります。御殿飾りというのは、京都御所の紫宸殿(ししんでん)風の館に人形を飾る方法で、江戸時代中期頃から用いられるようになりました。
本作品は檜の樹皮で屋根を葺いた檜皮葺(ひわだぶき)御殿飾りです。すべて組立式になっており、柱の組み合わせ部分など、当時の職人の確かな技術を見ることができます。御殿の中には内裏雛をはじめ、三人官女、五人囃子、随身、外には掃除や煮炊きなどを行う仕丁が飾られています。
一方段飾りは、江戸時代初期頃には、毛氈の上に紙製の立雛や内裏雛だけを並べ、調度品などはあまり飾られませんでしたが、雛祭りが盛んになる江戸時代中期以降になると、段の数が増え、幕末頃には現在見られるような七段飾りが出現しました。本作品は内裏雛、三人官女、五人囃子、随身、調度品などが飾られた七段飾りです。特に五人囃子と随身は、商標により東京十軒店の名工「永徳斉」(二代目) の作品であることがわかります。
主として御殿飾りは京阪地方で、段飾りは江戸で好まれた飾り方です。

戻る