遠山記念館トップ> コレクション> 日本陶磁> 古瀬戸丸水指
室町時代 16世紀
高12.0 口径15.6 底径15.5
丁寧に形作られた薄づくりの丸水指です。簡素ながら伸びやかな造形を口縁部にまわした細い描線が整えています。赤褐色の下釉の上に黒褐色の鉄釉をむら掛けしていますが、内側には一部釉薬を掛け残した部分もみられます。底裏中央部に「二重三角内に十一」、その周囲に「永正十八年 五月十二日 てんもくや 又四郎」の彫書きがあります。中世の尾張瀬戸窯では、上流社会でもてはやされていた中国陶器の写しを盛ん行っていました。この作品が示す「てんもくや」も、中国渡来の「天目茶碗」の写しを行う窯元の屋号ではないかと考えられます。