遠山記念館トップ> コレクション> アンデス染織> 鳥・幾何文様綴織地紋織貫頭衣
インカ文化(後1430年頃-1532年)
木綿・獣毛
120.0×170.0
綴織で四角形を組み合わせたパネル状の文様で全体を埋めつくしていますが、それぞれのパネルの中央の四角形内にはさらに鳥の組み合わせ文様が紋織(もんおり)技法によって織り込まれています。着用すると足首までくる大型の貫頭衣で、緻密で丁寧な仕事ぶりからも王侯貴族のために織られたものと考えられます。インカの染織品にはこのような幾何学文様や単純な動物文様の繰り返しが多く、それまでアンデスの染織品にひんぱんにみられた神像文は影をひそめます。王侯が着用する衣装は王宮内にあった「アクリャ・ワシ」とよばれる館で制作されました。ここは全国から集められた容姿や能力がすぐれた少女たちが、インカが信仰していた太陽神とその子(皇帝)らのために機織やチチャ(とうもろこしの濁酒)の醸造などの奉仕活動を行っていた場所でした。