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  • 神人文様綴織裂
    • アンデス染織
    • Andes


ペルー ワリ文化(後700-1000年頃)
木綿・獣毛
117.5×54.0




綴織の文様帯と濃紺の平織地の帯を交互に配した裂で、おそらく貫頭衣であったと考えられます。表された文様はティアワナコ文化の神殿の「太陽の門」に刻まれた浮彫彫刻がもとになったもので、錫杖を持って走る鳥人の姿をやや抽象化し、向きも互い違いにして表しています。
浮彫彫刻では、これら鳥人が左右から走り寄る中心に、主神の如き両腕を拡げて立つ人物像が表されています。ワリの染織品の文様の多くがこの「太陽の門」のモチーフであることから、両者の間には宗教的あるいは政治的な深いつながりがあるのではないかと考えられます。細い獣毛の緯糸(よこいと)をきっちりと打ち込んでおり(1cmの幅のあいだに70本前後の緯糸)緻密であるのもワリの綴織の特色です。またこのころから赤色染料にコチニール(カイガラムシの一種)の分泌物を用いることが広まっており、この裂の赤も当館の調査でコチニールであることが分かっています。

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