遠山記念館トップ> コレクション> アンデス土器> 黒色陶神人文様浮彫注口壺
ぺルー チムー文化(後1100-1470年頃)
高29.4 口径10.7 幅22.2 奥行14.5
両肩に小さな耳を持つやや扁平な壺形土器。円で仕切られた粟粒状の充填模様の中心に両腕を広げて立つ人物像を浮彫にしています。この人物は豪華な頭飾りと袖付貫頭衣(そでつきかんとうい)を身に着け、左手に実のついたトウモロコシの茎を、右手には三角形のナイフ、トゥミらしきものを持っています。両腕を広げて中央に立つ人物像は、この時代の土器や染織品に頻繁(ひんぱん)に表されるもので、ティアワナコ〜ワリ文化以来続く神性表現と考えられるところから、この土器の人物も農耕に関わる神なのかもしれません。チムーはペルー北部海岸地方で強大な勢力を誇った文化で、首都チャンチャンには広大な都市遺跡が残されています。よく研磨された黒色陶の象形土器が特色です。