遠山記念館トップ> コレクション> アンデス土器> 彩画鳥形注口壺
ペルー ナスカ文化(前200-後500年頃)
高16.0 幅17.1
果物かサボテンの枝にとまる一羽の鳥を表した土器で、頭部と背中の注ぎ口との間に平らな把手(橋形把手)が付きます。鳥は、湾曲する小さめのくちばしの形や目の下方に伸びる黒い帯状模様、白地に黒の斑文を表現したと考えられる胸の格子や尾羽の縞文等から、タカの仲間と考えられます。ナスカはペルー南西部の海岸砂漠地帯の文化で、人々は主として灌漑農耕や漁労を営み、独自の宗教を信仰し、神殿や祭祀場とされる遺跡を各地に残しています。有名な「ナスカの地上絵」にもハチドリや鵜(う)、オウムなどの鳥たちが多くみられ、ナスカ人が鳥類に対していかに深い関心を寄せていたかがうかがい知れます。