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コレクション

  • 綴織・浮糸織裂 人物紋様 (コプト裂)
    • 中近東美術
    • Middle and Near East


エジプト 4-5世紀
亜麻・羊毛
20.0×17.0




見つめ合う男と女が2人、シルエットで表されています。似た図像から、この2人はギリシア神話の美と豊穣の女神アフロディテと愛人のアドニスと想われます。アドニスはアフロディテと冥界王ハーデスの妻ペルセフォネの2人が愛を競った美少年で、最高神ゼウスの執り成しによって、春夏はアフロディテと、秋冬はペルセフォネと暮らすことになります。春の一日、狩りに出かけたアドニスは、手負いの猪の逆襲にあって死んでしまい、その血がこぼれた土から、翌春に咲いたのが、真っ赤なアネモネの花というのが神話のストーリーです。
ギリシア文化の影響を受けたエジプトのプトレマイオス朝から時代も経過した、4〜5世紀のキリスト教徒の衣服や布の調度に、どうしてギリシア神話の題材がそのまま残されていたのか謎とされ、様々な解釈が出されています。生き生きとした人物の表現、それを可能にする高度な綴織(つづれおり)技巧など、初期の作品を代表するコプト裂(キリスト教徒コプト人の染織品の断片)の1点です。

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