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伝 紀 貫之
平安時代 11世紀半ば
彩箋墨書 25.9×20.2




わが国最初の勅撰集である『古今和歌集』(延喜5年・905成立)の現存する最古の写本の断簡です。高野切の名は、つれの残巻が高野山にあったことにちなみます。もとは20巻の巻物で、当代を代表する名筆家3人が、分担をして揮毫しました。この断簡は巻第1巻首近くの部分で、三人の中でも最高位の能書家が、書き出しの緊張を一切緩めることなく、仮名の筆線の隅々にまで神経を集中させて書き進めています。
紀貫之は古今集の選者ですから、11世紀半ばの執筆と考えられる高野切の筆者には当たりませんが、そうした伝承もさもありなんと思わせるほど、仮名の名筆の品格を誇っています。後の時代の本流の仮名書体として愛好され、手本になっています。

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